赤いベレー帽の女(1)
- 原題:
- LE VOL DU CORBEAU Vol.1
- 著者:
- ジャン=ピエール・ジブラ
- 翻訳者:
- 大西愛子
- 本体価格:
- 600+税
- 発売日:
- 2016/05/14
- 版型:
- 58ページ
内容紹介
第2次大戦中ドイツ占領下のパリ。ジャンヌはレジスタンス運動に身を置く女性活動家だが、ある日何者かの密告によって逮捕されてしまう。密告の内容は彼女が闇市にかかわっているというものだったのだか、家捜しで彼女が拳銃を隠し持っていたのが発覚したのだ。取調べを受けているとき、ひとりの男が連衡されてきた。こそ泥のフランソワだ。
そんな中、空襲警報が鳴り、警察の職員も避難する。フランソワは隙をついてジャンヌと共に脱走するが、屋根伝いに逃亡中、ジャンヌは足をくじいてしまう。動きの取れなくなったジャンヌは、フランソワからその日アメリカ軍がノルマンディーに上陸したことを聞く。しかしジャンヌには心配事があった。彼女が逮捕されたことで妹にも警察の手が及ぶのではないかということだ。
最初はジャンヌのことをからかったり邪険にしていたフランソワも、次第に彼女に親切になり、一時身を隠せるようにある場所に連れて行く。
著者紹介
作・画
ジャン=ピエール・ジブラJean-Pierre GIBRAT
1954年パリ生まれ。 若いころからイラストレーターとして活躍するが、すぐにバンド・デシネを描き始める。
シナリオ・ライターのジャッキー・ベロワイエとの出会いはバンド・デシネ界の新しいヒーロー、Goudardグダールを誕生させる。ごく普通の少年の日常を 描いたシリーズは掲載誌を変えながら多くのファンをつかむ。
1982年、転機が訪れる。ジブラの描く女性の美しさに魅せられたベロワイエがパリジェンヌのキャラクターをグダール・シリーズに導入することを思いつく。
一方、ジブラはジャンルやテーマにこだわらず、予期せぬような作品も描く。1995年に発表したPinocchia「ピノキア」(シナリオ:フランシス・ルロワ)は 「ピノキオ」のパロディだが、かなりエロティックな作品だ。また翌年発表した Marée basse「引き潮」(シナリオ : ダニエル・ペックール)は幻想的な作品 である。
1997年に発表したLe Sursis「執行猶予」で新たな転機を迎える。ドイツ占領下のフランスの田舎町を舞台にしたこの作品は多くの支持を得、多くの賞に輝いた。この作品の続編とも言えるのが今回掲載のLe Vol du corbeau 「赤いベレー帽の女」である。「執行猶予」以来、シナリオも手がけ、ジブラはストーリー・テラーとしての才能も発揮している。「赤いベレー帽の女」第2巻は2006年アングレーム国際バンド・デシネ・フェスティヴァルにて優秀作画賞に輝いた。
彼の最新作は20世紀の戦争を生き抜青年Mattéo「マテオ」だ。