2021年2月7日

2月13日『ユーロマンガ2号』配信開始! 新連載『マリキのブロッグ』をご紹介!

いよいよ2月13日にユーロマンガ2号を配信開始します!そのユーロマンガ第2号より、新連載「マリキのブログ」がはじまります! 少し変わった形式で日常を紹介するエッセイ系Webコミックとしてはじまり、フランスで既に15年以上もの長い間、大勢のファンに支持され続ける本作品。連載に先立ち、その魅力をご紹介します。

「マリキのブログ」は、フランスのバンド・デシネ作家、イラストレーターのマリキ(Maliki)による、エッセイ系コミックです。
フランス・ブルターニュ地方に住む作者が、自身の経験や日常をコミカルに、時に繊細に描く作品で、主人公はピンク髪でエルフ耳な女の子、作者と同じ名前のマリキさん。
主な登場人物は、作者周辺の人達(パートナー、隣人)、ペットの猫とニワトリ、超能力的パワーを持つ主人公の分身、自然を司る妖精…?など。
主人公のファンタジー的な外見も含めて、常識的な日常に留まらない不思議で不条理な出来事も同時に描かれるのが本作の特徴です。

 
キャラクター=作者?
実はこの作品、マンガのキャラクターが作者となって自らの日常を描く、というメタな構造を採用した独特な語り口のバンド・デシネなのです。いわゆる「中の人」が体験した出来事を主人公=作者としてのマリキに語らせつつ、創作キャラクターでもあるマリキと周辺キャラクターの創作エピソードも並行して描かれます。
一風変わったご近所さんの話、長年連れ添った猫との別れ、パートナーとの関係の進展など、実際の人生に基づくエピソードと、一方現実にはありえない、「無い」日常を同列に語ることで、まるでキャラクターが読者と同じ世界に存在しているような感覚が楽しめます。創作キャラクターがあたかも存在するという体裁で楽しむ形式は、ある種バーチャルYoutuber的なコンテンツに近いとも言えます。


マリキ世界の歴史
「マリキ」シリーズは、2004年から作者のWebサイトで連載され、今日まで更新され続けています。2007年にフランス・アンカマ(Ankama)社から「Maliki」として書籍版の第1巻が発売、2015年に第7巻まで続いて出版されました。2016年、クラウドファンディングによる自費出版への移行と同時に「Blog」に改題し、2020年に第3巻が発売されました。月刊ユーロマンガでは、「Blog」以降を「マリキのブログ」として掲載します。
特に「マリキのブログ」以降は、フランスにおける自費出版コミックの最大成功例という側面を持ち、現代のバンド・デシネをある種代表する事例と言えます。「マリキのブログ」第1巻はフランスのクラウドファンディングサイト「Ulule」でプロジェクトを発足、当初1000冊と設定したゴールに対し8527冊と目標を大きく上回る販売を達成、第2巻は9276冊、最新刊である第3巻はなんと12608冊を記録しました。支援額は、第3巻のみで5000万円(推計)を超えています。他にも創作支援サイト「Tipeee」で募った活動資金をもとに「マリキシリーズの(まだ存在しない)テーマソング」と題したアニメ付きミュージッククリップを制作し、発表するなど、既存の出版活動に捉われない自由な活動を展開し続けています。

   
独特な世界観、虚実を交えた魅力的なキャラクター、先進的なメディア展開… バンド・デシネ界でも他になかなか例を見ない作品です。
マリキ世界の不思議な「日常」をユーロマンガ第2号よりお届けします。
お楽しみに!
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