ムチャチョ ― ある少年の革命

原題:
MUCHACHO
著者:
エマヌエル・ルパージュ(Emmanuel LEPAGE)
翻訳者:
大西愛子
本体価格:
2700+税
発売日:
2012/04/10
ISBN-10:
4864101590
ISBN-13:
978-4-86410-159-2
版型:
上製A4、176ページ、フルカラー
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内容紹介

えすとえむ氏絶賛!!!
「自然が創りだす光と影、人の手が作りだす光と闇、その美しさ残酷さを描き切ったルパージュの手は私の心臓をわし掴んだまま離してくれない。」

芸術、愛、革命――深く胸を打つバンド・デシネ !!!


1976年、ニカラグア。独裁者”タチート”ソモサとその軍隊がこの中米の小国を支配している。首都マナグアの良家の息子で若い修道士のガブリエルは、キリストや聖者、”キリストの受難”など宗教画を描くのに長けており、その才能を見込まれ、山岳地帯の小さな村サン・フアンのルーベン神父のもとに送られる。最初は権力者の側近の裕福な家系ということで村人から疎まれていたガブリエルだが、次第に村人たちと深く係わり、彼らのことを知り、愛するようになる。そこに至るまでにはルーベンの励ましがあった。ルーベンはガブリエルに村人を血の通った肉体を持つ生身の男や女として描くことを勧めたのだ。「ものの表皮をめくる」ことにより、ガブリエルは徐々に農民を迫害する軍隊のことだけでなく、自分に重くのしかかる自身の欲望と官能をも発見することになる。彼にとっても村人にとっても、抵抗の時が目覚めつつある革命とともにすぐそこまで来ていた……

芸術、愛、革命――『ムチャチョ』は、若き修道士の複雑かつ波乱万丈な運命を通して描かれる情熱の物語だ。作者エマニュエル・ルパージュは、熱く率直な思いを込め、その才能と豊かな人間性を駆使して普遍的なテーマの作品を造り上げた。深く胸を打つのみならず、愛と政治参加についても考えさせられる作品。

著者紹介

作・画

エマヌエル・ルパージュEmmanuel LEPAGE

1966年9月29日、ブルターニュ地方サン・ブリユック県に生まれる。
彼のバンド・デシネとの出会いは6歳のとき、『タンタン』を読んだことに始まる。13歳で、『スピルー』の作画家ジャン=クロード・フルニエの個人指導のもと、バンド・デシネの作画を学び始める。建築の勉強の傍ら、ルパージュは最初のアルバム2冊を1987年と1988年にブルトン・ウエスト・フランス社から出す。1989年と1990年にはロンバール社から『L’Envoyé(仮題:派遣者)』(シナリオ:ユゲット・カリエール)を出版する。
一般読者の注目を浴びるようになったのは、1991年から1997年にかけてグレナ社から出た『Névé(仮題:ネヴェ)』(シナリオ:ディーテル)シリーズの5巻本。登山中の事故で父親を亡くした少年が大人になっていく過程、その成長を描いた作品である。またルパージュの名を揺るぎないものにした2000年刊行の『La Terre sans mal(仮題:悪なき土地)』(シナリオ:アンヌ・シブラン)は、アマゾンの奥地で原住民の集落と出会う女性記者の物語だ。この作品はルパージュ自身の中南米での8ヶ月の長期滞在がもとになって生まれたが、この体験を元に、ほかにも『Brésil(仮題:ブラジル)』と『America(仮題:アメリカ)』という2冊の旅行記をまとめ、さらに2004年と2006年には、彼の代表作ともいえる『ムチャチョ』の2部作を出している。
その後、フュテュロポリス社から、同じ日にフランスで生まれた3人の少女の成長と人生を描いた『Oh les filles(仮題:少女たちよ)』(シナリオ:ソフィー・ミシェル)を2008年と2009年に、また2011年には、インド洋の南、南極地域にあるケルゲレン諸島への旅を描いた『Voyage aux Iles de Désolation(仮題:悲嘆の島々への旅)』を刊行。現在、エマニュエル・ルパージュは、2008年にある協会のためにチェルノブイリに滞在したときの体験を題材にした作品を制作中。

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